嘘八百
雪はそれから目を逸らして、カレーを盛り付け終えてカウンターへ出した。
「店長はいない」
「言霊、通用しなさそう」
「カレーライス出ます。わー、今日も繁盛してんなあ」
雪の言葉に店長は呆れたように溜息を吐き、バックヤードへと戻っていった。
はーあ、と雪もそれを確認しながら手を動かす。先程から一秒たりとも止まってはいない。
「京橋さんって夜職とかですか?」
「いや、昼は病院の厨房で正社」
「あ、なんかすみません」
「よくキャバやってんのか聞かれる。年齢的に無いだろって思うけど」
「前にここで働いてた人がそんな感じで」