嘘八百
鈴炉が雪をちらと見る。
「京橋さん……の? 知り合い?」
「京橋さん」
「あー、この前両親が再婚して」
「ここで働いてるんですか」
「見ての通り」
ここに鈴炉を巻き込むのは得策ではないと考えた。雪はレシートを握らせ、岬の背中を押した。
レジに並ぶのは岬が最後だった。とりあえず店の外へ出す。
「フードファイターだけではやっていけないので」
てきとうに考えた言い訳を口にする。
「明日、空いてるか」
「空いてないですね」
「中華食べに行かないか」
岬の言葉に雪は怪訝な顔をした。