嘘八百
景色が良い。秋の匂いがしそうな雲が遠くに見える。
「友達は?」
「いたら君と一緒には居ない」
「再放送か」
「茶番じゃないんだ」
「人生はずっと茶番でしょ」
その言葉に柔らかく岬が笑った。
「なに笑ってんだよ」
「君といると楽しいから」
「馬鹿馬鹿しいの間違いじゃなくて?」
「どちらかといえば、清々しい」
初めて言われた。雪は眉を動かす。
そこでスコーンセットがテーブルに届いた。
「美味しそう」
話していたすべてを忘れ、雪の顔は輝く。スコーンに手を伸ばし、まだ温かいそれを二つに割る。