嘘八百

「どうした」

 岬が顔を上げる。
 ターミナル駅の百貨店に入っているカフェで二人はお茶をしていた。

 発端は雪が「あー甘いもの食べたい」と疲れた声を出したことだった。それなら美味しいカフェがある、と岬にまんまと連れ出された。

 周りはアフタヌーンティーを楽しむマダムたちや若い女性客が多い。

 その中で、友人でも恋人でも家族でもない二人。

 紅茶とブラックコーヒーが並び、あとはスコーンセットが揃うのを待っている。

「岬って彼女いるの?」
「いたら君と一緒には居ない」

 あー、真面目そうだもんな、と雪は窓の外を見た。

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