嘘八百

 このスコーンセットを目当てに、今日は岬に着いてきたのだ。

「考えたこと無かった」
「何を?」
「自分が食べてるものが、何で構成されてるか」

 え、と目を丸くする。岬はそれを見返す。
 ぱちくりとゆっくり瞬く。

「この味は何だろうとか、想像しないの」
「美味しいなとは思うけど、そこが行き止まりだ」

 美味しい、で終わる食事。それもまた良いのではと雪は考える。これは殆ど職業病で癖みたいなものだ。

「別に強要されるもんでもないし」
「今度からは考えてみる」
「そしたらさ、答え合わせしようよ」

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