嘘八百
小学生のような提案に、岬は柔らかく笑う。
「うん?」
「どんな味か、何が入ってるのか話すの」
「良いな。夕飯にやってみよう」
さらりと夕飯の約束を取り付けた。
雪はそんなことは気付かず、るんるんとスコーンを食べ始める。
「この並びだったら、岬は無双できる」
「何の話?」
開店と同時に入った居酒屋で、雪はスマホを見ながら言う。開いていたのはマッチングアプリだった。
件の男を探している。
ちなみに居酒屋には話し合う程のメニューは無かった。
岬はハイボールのグラスを下ろす。