嘘八百

 生ビールを二杯、ハイボールは三杯目だった。顔色はひとつ変わっていない。

 雪は梅酒をロックちびちびと飲んでいる。  

「マッチングアプリ」
「……は?」
「ろくでもなさそうな奴ばっかり」

 ほら、と雪はスマホの画面を岬へ見せた。女性とマッチングしたい多くの男性の写真と、その傍から増えていく雪へのいいね! の数。その画面へと視線を落とす。

「二つ疑問があるんだけど」
「疑問?」
「なんで君がマッチングアプリをやってるのか。そして何故その画面を今見ているのか」
「頼まれて。手持ち無沙汰だったから、片手間に仕事しようと思った」

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