嘘八百
「ツリー見てるとか珍しい」
「人だかりになるくらいってどんなもんかと思って」
「好奇心」
玲香は笑いながら踵を返した。自身は少しも興味がないらしい。
雪もその背中に続いて人の中を出ていく。
白、緑、赤。目を向けるものの殆どがその色だ。
近くのカフェやイタリアンが混んでいたので、路地の和食屋へと入った。
「営業のおっさんが紙っぺら一枚の期限ひとつ守れないなんて、この世は終わりだわ」
「おっさんは紙一枚以下の存在ってことだな」
「そんなん周知の事実なの。何より問題なのは、そんなの聞いてないとか知らないって言ってくること」
椅子に座るなり、出てくる言葉。