嘘八百
「今度話す」
「じゃあ待ってる」
待ってる?
「終わるの、待ってる」
雪はその顔に弱いことを思い知った。
店の締め作業中、店長に許可をもらって岬を店内の椅子へ座らせていた。
鈴炉がその横をモップで掃除していく様子を興味深そうに見学している。
「お疲れ様でした」
まだ残るという店長を置いて、店を出ていく。
「雪だ」
岬の声に先に鈴炉がそちらを向く。
「ゆき」
もう一度言って、岬は空を指差す。