嘘八百

 鈴炉と雪は空を見上げる。ちらちらと白い破片が降りかかってくる。

「ホワイトクリスマスですね」
「世の中の恋人たちは気付いてなさそうだけどな」
「こんな時間に外出てるのはバイト戦士だけです」
「じゃあバイト戦士、転ばないように」
「はい、お疲れ様です」

 自転車に跨りながら頭を下げる。岬の方にも小さく会釈した。
 お疲れ様です、と岬も言葉を返した。

「どっか店やってんのかな」

 雪がスマホを取り出す。降る雪が画面に張り付き、溶けていく。

「岬、何か食べたいものある? って夕飯食べたばっかりか」

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