年の差十五の旦那様 外伝①~捨てる恋あれば、拾う恋あり?~
第5話 この人は変だ(確信)
 食事を終えた私は、アシュリーさんを連れてリスター家へと戻った。

 リスター家の人たちは、私を見てぎょっとしている。そりゃそうだ。

 デートだからと一日休暇を取ったはずの私が、昼過ぎに戻ってきたのだから。

「ねぇ、サイラスさんってどこにいるか知らない?」
「サイラスさんですか?」

 側にいた侍女に声をかけた。

「失礼ですが、そちらの方は?」

 侍女の視線はアシュリーさんに向いていた。彼は恐縮したように会釈をする。

「そこで拾ったの。就職先を探しているから、連れてきたのよ。貴族の家出身だし、出自はわかっているわ」

 私の言葉に納得したようにうなずいて、彼女は「呼んできますね」と言ってぱたぱたと駆けて行った。

「――ということだし、ここで待っていましょうか」

 振り向くと、アシュリーさんがきょとんとしていた。

 でも、すぐに納得したように大きくうなずく。

「そうですね。俺はロザリアさんに拾われたみたいなものでした」
「あっ、他意はないです!」

 顔の前で手をぶんぶんと振るけど、説得力がない。

(さすがに拾ったは失礼よね――!)

 しかも、アシュリーさんは貴族だ。これは絶対に失言。

「知っています。あなたがそういう人ではないことくらい」

 ほっと胸をなでおろす。なんとか、不快にさせずに済んだ。

「というか、あなたに拾われて飼われるのなら、本望かもしれません。あなたのペットにならなってもいい」
「……真剣な顔で冗談を言わないでください」

 そんな顔だと、冗談か本気かわからないじゃない。

 私だからいいけど、ほかの人に言うと本気にされてしまう。トラブルに発展しても知らないわよ。
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