年の差十五の旦那様 外伝①~捨てる恋あれば、拾う恋あり?~
「冗談なわけがない。ロザリアさんになら、どんな扱いをされたっていい」
「うっ……」
真剣な眼差しに、押された。ただ、真剣な眼差しで言うことが変態的なのは、ちょっと……うん。
「俺のこと、試しに踏んでみます?」
「勘弁してください!」
あぁ、もうっ! こんなことになるんだったら親切にするんじゃなかった!
「残念」
アシュリーさんは渋々という風に引いた。
……なんだろう。この人と話していると、本当に疲れるというか。
「今後、変態的な言動は慎んでください」
「その冷たいまなざし、最高ですね」
言った側からやめてほしい。話がかみ合っていない。
「アシュリーさんは変態と言われたことはありますか?」
「ありませんよ。話が通じないと言われたことは何度か」
そう。だったらいい――。
「今、俺は新しい自分に出会った気がしますよ」
「新しいご自分には出逢わなかったほうがよかったと思いますよ」
こんな変態性、開花させないでほしい。むしろ、させてはいけなかった。
この人、黙っていたら顔はいいからモテるだろうに。
私たちが口論をしていると、近くから大きなため息が聞こえてきた。視線をそちらに向けると、そこにはこのリスター家の執事であるサイラスさんがいる。
「何事かと思えば……」
額を押さえたサイラスさんに苦笑を向けて、私は口を開く。
「うっ……」
真剣な眼差しに、押された。ただ、真剣な眼差しで言うことが変態的なのは、ちょっと……うん。
「俺のこと、試しに踏んでみます?」
「勘弁してください!」
あぁ、もうっ! こんなことになるんだったら親切にするんじゃなかった!
「残念」
アシュリーさんは渋々という風に引いた。
……なんだろう。この人と話していると、本当に疲れるというか。
「今後、変態的な言動は慎んでください」
「その冷たいまなざし、最高ですね」
言った側からやめてほしい。話がかみ合っていない。
「アシュリーさんは変態と言われたことはありますか?」
「ありませんよ。話が通じないと言われたことは何度か」
そう。だったらいい――。
「今、俺は新しい自分に出会った気がしますよ」
「新しいご自分には出逢わなかったほうがよかったと思いますよ」
こんな変態性、開花させないでほしい。むしろ、させてはいけなかった。
この人、黙っていたら顔はいいからモテるだろうに。
私たちが口論をしていると、近くから大きなため息が聞こえてきた。視線をそちらに向けると、そこにはこのリスター家の執事であるサイラスさんがいる。
「何事かと思えば……」
額を押さえたサイラスさんに苦笑を向けて、私は口を開く。