初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
「……お、やっぱり寝ちゃってたな。布団も掛けずにゴロ寝なんて、俺の遺伝子強くないか?」
私達の寝室のベッドの真ん中で、麻彩はぬいぐるみを抱いたまま布団も掛けずにスヤスヤと眠っていた。
「…パパが一緒に寝てくれるって分かったからすっかり安心したのね。…ふふ」
麻彩の顔をそっと覗き込み、その可愛さに笑みが漏れた。
「じゃあ俺達も寝るか」
「そうだね、明日は早いんだもんね」
麻彩を挟んでベッドに入ると、私は座ったまま麻彩にそっと掛け布団を乗せた。
その時、不意に赤ちゃんの頃の寝かしつけが思い出され、布団の上から麻彩の腰の辺りを、とん…とん…とん…と手のひらで優しくたたいてみた。
すると、その手の上に真宙の手のひらが重なった。
「……ん?」
「懐かしいな、それ」
「ふふ、思い出しちゃって」
薄暗闇の中、真宙と見つめ合い、二人で同時にふっと笑む。
「麻里亜、ありがとう。いつでも愛してるよ」
「私もよ。…ありがとう、真宙。ずっと、ずっと愛してる」
そう答えると、真宙が私の頬に手のひらを添え、ちゅっ、と軽いキスをしてくれた。
「眠り姫や白雪姫ならこれで起きちゃうけど、麻里亜は俺だけの特別なお姫様だから、王子様の俺のキスで疲れも吹っ飛んで逆にぐっすり眠れるよ。…なんてな、ははっ」
「うーん…王子様のキスが嬉しくて幸せ過ぎて、逆に眠れなくなっちゃうかも…」
「えっ、それはごめん」
「なんてね、ふふふっ。ありがとう、幸せな気持ちでゆっくり眠れるよ。…おやすみ、真宙」
「ふ、よかった。おやすみ、麻里亜」
──私は、あの日見た彩雲に負けないくらい、彩りのある人生をこれからも歩んでいく。
そう確信に近い想いを抱きながら、私の手に重ねられた真宙の手の温かさを感じ、幸せな気持ちで眠りにつく。
彩りと幸せに満ちた私達家族の未来を願って──
*** end ***


