初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~
俺……やっぱり言っておかないと後悔する!
だから…
駅についてしまう前に、不意に栗原さんの手を握り、立ち止まった。
…いきなり手を取って驚かせたかな。
でも俺は真剣だから。
「栗原さんは彼氏いるの?」
「えぇっ?いない!いない!」
ぶんぶんと手と首を一生懸命振ってるのが可愛い。
「あのさ、僕と付き合ってくれないかな」
「え?え?徳永くん?」
いきなりで面食らってるっぽいけど…言わせて。
「僕、栗原さんのこと、1年の時から好きだったんだ。でも栗原さん、男子と話さないし、声かけたら逃げられると思ってなかなか話しかけられなくて。でもあの夏の…彩雲見た日に話すことができて嬉しかったんだ。大学は別になるけど、もっと栗原さんと一緒にいたくて」
栗原さんの目が、俺をまっすぐ見つめた。
だから…これは受けてくれる!って思ったんだけど…
「徳永くん……ごめんなさい…お付き合いはできないの」
と…断られた。
「どうして?僕が嫌い?」
聞きたい。
「ううん、徳永くんは素敵な人だよ。でも…お付き合いはできなくて…」
俺がダメなのではなく、付き合えない理由がある、と。
「その理由って聞いてもいい?」
「ごめんなさい…それは…言えなくて…」
しかも理由は言えない…か。
「…そっか、わかった。彼氏になれなかったのはすっごい残念だけど、想いを伝えられてよかった。ありがとう。栗原さんは僕の青春時代を素敵に彩ってくれた大切な人だから、どこかで会ったらまた話そうよ。ねっ!」
諦めたくないけど、今…無理は言えないよな。
ってゆーか、マジで諦めたくねぇー!
と心の中で叫んでると…
「ありがとう、徳永くん…」
って…栗原さんが…泣いている。
…フラれたのは俺なのに、栗原さんの方が辛そうに見えるのは何でだ…
とはいえ俺が泣かせたのには変わらないよな…
「ゴメン、泣かせちゃった…」
それなのに、栗原さんは涙目で言う。
「ううん、徳永くんのせいじゃないの…ありがとう」
何か…その言えない理由が栗原さんを苦しめている…そう見えてならない。
栗原さん…
「あーっゴメン!」
俺は堪らず栗原さんを抱きしめた。
「好きなコに泣かれると弱いなー…」
こんなことするの初めてだし…
どうしたらいいかわからないけど…
なんか抱き締めたくなったんだ。
…俺が守ってあげたい、って。
「徳永くん…ごめんね…ごめんなさい…」
「いや、これは役得だと思ってるから気にしないで」
ん…彼氏にはなれなかったけど、こんなに近くで触れることはできた。
でも女の子を抱き締めるなんてのは初めてで…力加減もわかんなかった。