初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

あれから…
徳永くんのマンションを出てホテルに戻った私は、旅行最終日まで当初の予定通り一人で過ごした。

でもずっと、どこにいても、何を見ていても…徳永くんを思い出していた。


昔の面影はそのままで…でも大人の男性になっていた徳永くん。

代わり映えしない私をどう思ったかな。

…でも、身体ごと愛してくれたよね。
こんな私を。



徳永くんに抱かれたことで、私の気持ちは少し強くなった様に思う。

誰にも言えない大切な想い出が、私の芯を強くする。


私は晶人さんと結婚しても愛されることはない。

だから私は…

名前を呼び合いながら愛し合ったあの夜を、一生心の拠り所にして生きていくと、旅行最終日に決めた。


だからなのか、晶人さんと話しても、以前より落ち着いていられる様に思う。


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