初恋成就は虹色雲のキセキ ~白馬の騎士は鳥かごの中の小鳥を溺愛する~

会場のどよめきが落ち着くと、またお父さんがマイクを持った。

「ですので…平久保社長。あなたの思惑通りとはなりませんでしたよ」


「ハッ……だが買収はどうかな?……おい関本、栗原さんに現実を教えてやれ」

と、やはり悪代官の様な面持ちで秘書らしき方に顎をしゃくった次の瞬間、何の前触れもなくホール側面のステージ寄りの扉がスッと大きく開いた。

何事かと平久保社長をはじめ皆がそちらに注目すると、そこから背の高いスラリとした濃色のスーツ姿の男性が会場に入ってきた。

そして壇上のお父さんの隣に来ると、平久保社長に告げた。


「あなたに栗原製薬は買収できません」



その言葉にもびっくりしたんだけど、何より驚いたのは…


スーツ姿のその男性が…


…徳永くん…


だったから……


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