Thirty’s
「そうなの?」
「彼は確かにそう言いました。でも、そのあと、残念ながら自分が言いたいことを飲み込んでしまったように、私には見えました。だから、是非、それを専務の前で申し上げて欲しいと思い、この場を設けさせてもらったんです。」
河北さんが取りなすように言うと
「わかりました。じゃ、ソウくんの忌憚のない意見を聞かせて欲しいな。」
唯は俺の顔を見た。
「大したことじゃありません。僕は正直まだ、頭の中も身体も、圧倒的に現場ドップリなんで、みなさんがDX化の方向にのめり込んでいることに、違和感を覚えた。ただそれだけなんです。」
「違和感?」
「はい。繰り返しになりますが僕は、DX化が必要ないなんて言うつもりはありません。AIを活用すべきところは大いに活用すべきだと思いますし、いつの日か、引っ越しの現場はAIロボットがトラックを運転し、荷物を梱包し、搬出して、そして新居に運び入れる・・・そんな光景が現実のものとなるのかもしれません。」
「・・・。」
「でもそれにはあと何年かかるんでしょうか?少なくても一年や二年で、それが実現するとは思えません。会社の成績を上げる、それは会社の未来を考えることとイコ-ルだと、僕は思います。十年先、二十年先・・・百年先、そんな未来に思いを馳せることは確かに必要だと思います。でも未来って、そんな先のことばかりじゃない。一年先、二年先、三年先・・・いやひと月先、明日だって未来でしょう。我々は会社の未来の為に、目先のことも絶対に蔑ろには出来ない。もっと足元を見つめた、半歩先、一歩先を見た議論もせざるを得ないと僕は思うんです。」
「彼は確かにそう言いました。でも、そのあと、残念ながら自分が言いたいことを飲み込んでしまったように、私には見えました。だから、是非、それを専務の前で申し上げて欲しいと思い、この場を設けさせてもらったんです。」
河北さんが取りなすように言うと
「わかりました。じゃ、ソウくんの忌憚のない意見を聞かせて欲しいな。」
唯は俺の顔を見た。
「大したことじゃありません。僕は正直まだ、頭の中も身体も、圧倒的に現場ドップリなんで、みなさんがDX化の方向にのめり込んでいることに、違和感を覚えた。ただそれだけなんです。」
「違和感?」
「はい。繰り返しになりますが僕は、DX化が必要ないなんて言うつもりはありません。AIを活用すべきところは大いに活用すべきだと思いますし、いつの日か、引っ越しの現場はAIロボットがトラックを運転し、荷物を梱包し、搬出して、そして新居に運び入れる・・・そんな光景が現実のものとなるのかもしれません。」
「・・・。」
「でもそれにはあと何年かかるんでしょうか?少なくても一年や二年で、それが実現するとは思えません。会社の成績を上げる、それは会社の未来を考えることとイコ-ルだと、僕は思います。十年先、二十年先・・・百年先、そんな未来に思いを馳せることは確かに必要だと思います。でも未来って、そんな先のことばかりじゃない。一年先、二年先、三年先・・・いやひと月先、明日だって未来でしょう。我々は会社の未来の為に、目先のことも絶対に蔑ろには出来ない。もっと足元を見つめた、半歩先、一歩先を見た議論もせざるを得ないと僕は思うんです。」