Thirty’s
「もうひとつ。我々はいつか、AIに取って代わられるのかもしれない。でもその時が来たとしても、お客様はあくまで人間・・・のはずです。」
「ソウくん・・・。」
「それを忘れちゃいけない。まして今はまだ、我々人間がお客さまに向かい合っていかなきゃいけないんです。機械頼みにばかり出来ない現実が、まだまだ何年も続くんです。DX化、AIを導入すれば無駄は省ける、効率は上がる。でもそれだけでお客様を満足させられるのか?その視点を忘れたら、我々企画室の仕事はまさに本末転倒になってしまうと思います。」
一気に言ってしまった・・・言い終わって、所詮はノスタルジックな観念論、我ながらそう思ってしまう部分もあったが、でも自分の思いを思いっきり吐き出したことを後悔はしていなかった。
「わかった。」
少し沈黙が流れたあと、唯が言った。
「今日はありがとう。上がって下さい。」
このあと、結局はまた誘われるんじゃないかと身構えていた俺は、一瞬拍子抜けし、横にいた河北さんもやや驚いたように唯を見ていたが、彼女の表情は変わらないから
「わかりました、失礼します。」
そう言って、立ち上がると一礼して、部屋を出た。
翌日。
出勤して来た俺を、待ち構えていたように呼び寄せた河北さんは
「専務が現場の業務を一度体験したいとおっしゃってます。」
「えっ?」
(本気か?)
これには俺だけでなく、周囲も驚いたように室長を見たが
「ですから沖田くんは、旧所属営業所と連絡をとって、段取りを付けてちょうだい。」
と俺に命じると、そのままオフィスを出て行ってしまった。
「ソウくん・・・。」
「それを忘れちゃいけない。まして今はまだ、我々人間がお客さまに向かい合っていかなきゃいけないんです。機械頼みにばかり出来ない現実が、まだまだ何年も続くんです。DX化、AIを導入すれば無駄は省ける、効率は上がる。でもそれだけでお客様を満足させられるのか?その視点を忘れたら、我々企画室の仕事はまさに本末転倒になってしまうと思います。」
一気に言ってしまった・・・言い終わって、所詮はノスタルジックな観念論、我ながらそう思ってしまう部分もあったが、でも自分の思いを思いっきり吐き出したことを後悔はしていなかった。
「わかった。」
少し沈黙が流れたあと、唯が言った。
「今日はありがとう。上がって下さい。」
このあと、結局はまた誘われるんじゃないかと身構えていた俺は、一瞬拍子抜けし、横にいた河北さんもやや驚いたように唯を見ていたが、彼女の表情は変わらないから
「わかりました、失礼します。」
そう言って、立ち上がると一礼して、部屋を出た。
翌日。
出勤して来た俺を、待ち構えていたように呼び寄せた河北さんは
「専務が現場の業務を一度体験したいとおっしゃってます。」
「えっ?」
(本気か?)
これには俺だけでなく、周囲も驚いたように室長を見たが
「ですから沖田くんは、旧所属営業所と連絡をとって、段取りを付けてちょうだい。」
と俺に命じると、そのままオフィスを出て行ってしまった。