Thirty’s
(次回・・・。)


次の瞬間


「すみません。こんなにご馳走になったあとで、申し訳ないんですけど、やはり私、先輩とふたりきりでのお食事はちょっと・・・。」


こんな言葉が口をついていた。


「彼氏に後ろめたいか?」


ズバッと聞かれて、私は頷く。


「そんな固く考えるなよ。」


「えっ?」


「これからまた一年間、一緒に仕事をして行くんだ。これは俺と加奈が円滑にコミュニケ-ションを図る為だ。」


「でも・・・。」


「それに加奈の彼氏だって、元カノと仲良さそうに一緒に出張してたぞ。」


「えっ?」


突然の先輩の言葉に私の身体の中に衝撃が走る。


「どういう、ことですか?」


「沖田総一郎くんだっけ?この前、俺が親父の名代で『SHIRATORI』の本社に挨拶に行ったら、ちょうど、唯さんと肩を並べて帰って来たところに出くわして、挨拶を交わしたんだ。」


「・・・。」


「仕事をしていれば、そういうこともある。だから、加奈も難しく考えるなよ。」


そう言って笑う先輩の声が、急に遠く聞こえた。


総一郎が、唯さんと肩を並べて歩く姿が、頭の中に浮かんで離れない。


ただショック、だった・・・。
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