Thirty’s
第十四章 思いがけない再会
現場研修を終えてからというもの、俺は河北さんの指示で、唯のサポ-ト役として動くことが多くなった。
「沖田くん、専務は午後から取引先との打ち合わせだから、その前にこの資料だけ確認しておいて。」
「はい。」
「終わったら、そのまま専務と一緒に役員会議へ入って。」
「わかりました。」
そんなやり取りが、いつしか当たり前になっていた。
もちろん肩書きが変わったわけじゃない、俺は相変わらず営業本部総合企画室の一社員だ。
でも、唯が判断に迷えば相談を受け、現場の話になれば意見を求められる。
「ソウくん。」
誰もいない会議室で、小さく俺を呼ぶ唯。
「この資料なんだけど、ここの数字、本当にこれでいいかな?」
「そこじゃなくて。」
「えっ?」
俺は資料を指差した。
「現場は数字より、その後の人員配置の方が気になるはずだから、そのことを入れた方が説得力があると思うよ。」
「そうか、なるほど。」
唯は大きく頷くとすぐにパソコンを開き、修正を始める。
その横顔を、俺は少し見つめた。ちょっと前まで、俺は唯に「ソウくん」と呼ばれることにも、ふたりでいる時間にも抵抗を覚えていた。
でも今は、そんなことは些細なことに思えるようになっていた。
唯は本気で、この会社を良くしようとしている。現場を知りたいと言い、営業にも同行し、引っ越し現場でも最後まで逃げなかった。
そんな姿を見た今は、支えたいと思っていた。
「沖田くん、専務は午後から取引先との打ち合わせだから、その前にこの資料だけ確認しておいて。」
「はい。」
「終わったら、そのまま専務と一緒に役員会議へ入って。」
「わかりました。」
そんなやり取りが、いつしか当たり前になっていた。
もちろん肩書きが変わったわけじゃない、俺は相変わらず営業本部総合企画室の一社員だ。
でも、唯が判断に迷えば相談を受け、現場の話になれば意見を求められる。
「ソウくん。」
誰もいない会議室で、小さく俺を呼ぶ唯。
「この資料なんだけど、ここの数字、本当にこれでいいかな?」
「そこじゃなくて。」
「えっ?」
俺は資料を指差した。
「現場は数字より、その後の人員配置の方が気になるはずだから、そのことを入れた方が説得力があると思うよ。」
「そうか、なるほど。」
唯は大きく頷くとすぐにパソコンを開き、修正を始める。
その横顔を、俺は少し見つめた。ちょっと前まで、俺は唯に「ソウくん」と呼ばれることにも、ふたりでいる時間にも抵抗を覚えていた。
でも今は、そんなことは些細なことに思えるようになっていた。
唯は本気で、この会社を良くしようとしている。現場を知りたいと言い、営業にも同行し、引っ越し現場でも最後まで逃げなかった。
そんな姿を見た今は、支えたいと思っていた。