Thirty’s
「どうしたの?私の顔になんか付いてる?」


秘書が退出した後、俺たちも打ち合わせを始めたが、少しすると、唯にこんなことを言われて、ハッとなる。どうやら、またボンヤリして、今度は彼女の横顔を見ていたらしい。


「い、いや、すみません。」


慌てて、姿勢を正すと


「ソウくんが仕事中にボンヤリするなんて珍しいね?そんなに私の横顔が魅力的だった?」


揶揄うように言って来るから


「バ、バカ。違うよ。」


思わず、タメ語になって否定する。


「そんなに強く否定されると、なんかムカつく。」


と言って、一瞬頬を膨らませた唯だったが


「それとも、なんかあったの?あっ、ひょっとして加奈さんと喧嘩したとか?」


図星を突かれて


「なっ・・・。」


言葉に詰まってしまう。


「そっか、それは朗報だな。」


そう言って、ニヤニヤと笑った唯だったが


「で、話を戻すけど、この辺の課題を、一度企画室の方でも検討してみて欲しいんだよね。」


すぐに表情を改めて、言って来る。


「わかりました、戻って室長に報告します。」


俺が頷いたのを見て


「よろしくね。じゃ、お昼行こうか?」


また笑顔に戻って、立ち上がる唯。それに応じて、俺も席を立つと社食へ向かった。
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