Thirty’s
「わかってないんだよなぁ。」
「えっ?」
「あなたは総一郎のこと、全然わかってない。」
「どういうこと?」
「彼が本当に好きなのは、あなたじゃない。」
「・・・。」
「そして、もちろん残念だけど私でもない。」
「・・・。」
「今でも総一郎が一番好きなのは白鳥唯さんなんですよ。」
そう言い切った三嶋さんに、私は息を呑む。
「彼は信じてたんですよ、本当に無邪気なくらい、唯さんと結ばれる未来を。」
「・・・。」
「でもその未来は、突然あっけなく絶たれた。他ならぬ唯さんの手で。『あなたは私と同じ道を歩むことが出来る人じゃない』って言われて、突き放されたんです。」
「・・・。」
「ショックだったと思いますよ。『もう好きじゃなくなったから』とでも言われた方が、よっぽど救われたと思いますよ。そして、自分の無力さに苛まれたでしょうね。ううん、今でも苛まれてるのよ。」
「三嶋さん・・・。」
「その後、告白して来たあなたに彼はこう答えたそうですね?『恋愛は身の丈に合った人とする』って。唯さんとの別れは、総一郎の心に大きなトラウマを残した。そして、それは今も決して彼の中で消えてはいないんです。唯さんのことを本当に愛していたから、ううん、今でも愛してるから。」
そんなことを滔々と述べる彼女の表情は、総一郎のことなら何でも分かっている、そう言いたげだった。
「えっ?」
「あなたは総一郎のこと、全然わかってない。」
「どういうこと?」
「彼が本当に好きなのは、あなたじゃない。」
「・・・。」
「そして、もちろん残念だけど私でもない。」
「・・・。」
「今でも総一郎が一番好きなのは白鳥唯さんなんですよ。」
そう言い切った三嶋さんに、私は息を呑む。
「彼は信じてたんですよ、本当に無邪気なくらい、唯さんと結ばれる未来を。」
「・・・。」
「でもその未来は、突然あっけなく絶たれた。他ならぬ唯さんの手で。『あなたは私と同じ道を歩むことが出来る人じゃない』って言われて、突き放されたんです。」
「・・・。」
「ショックだったと思いますよ。『もう好きじゃなくなったから』とでも言われた方が、よっぽど救われたと思いますよ。そして、自分の無力さに苛まれたでしょうね。ううん、今でも苛まれてるのよ。」
「三嶋さん・・・。」
「その後、告白して来たあなたに彼はこう答えたそうですね?『恋愛は身の丈に合った人とする』って。唯さんとの別れは、総一郎の心に大きなトラウマを残した。そして、それは今も決して彼の中で消えてはいないんです。唯さんのことを本当に愛していたから、ううん、今でも愛してるから。」
そんなことを滔々と述べる彼女の表情は、総一郎のことなら何でも分かっている、そう言いたげだった。