Thirty’s
涙ながらに、エントランスに立っていた加奈を、部屋まで連れて来て、まずは椅子に座らせる。
「由夏、急にごめんね。」
「そんなことはいいんだけど、でも仕事はどうしたのよ?」
「休んだ。」
「休んだって・・・大丈夫なの?」
「国家公務員にだって、有休くらい取る権利あるよ!」
「まぁそりゃそうだけど・・・。」
どう見ても今朝、急に思い立って、仕事休んで、私の所に突発的に来たとしか思えない。本当に大丈夫なのかと思うけど、今はそんなことを突き詰めてる場合ではなさそうだ。
「沖田くんと喧嘩でもしたの?」
加奈がこんなことをするなんて、考えられる理由は他にないんだけど、それに対して
「私たち・・・もうダメかもしれない。」
涙目で、思った以上に深刻なことを言い出されて、私は凝然となる。
「夕べさ、総一郎の顔を見たくなくて、ビジネスホテルに泊まって。」
「加奈・・・。」
「一晩、いろいろ考えて、ほとんど眠れなくって・・・もうどうしようもなくなっちゃって、誰かに話を聞いて欲しくて、それでほとんど衝動的に新幹線に飛び乗っちゃったんだ。」
「そっか。悠のとこじゃなくて、わざわざ私の所に来たってことは、やっぱり唯さん絡み?」
「それもあるけど、悠の所じゃ、子供たちがいるけど、由夏の所なら今、塚原くんは遠征中みたいだから、じっくり話、聞いてもらえるでしょ。」
その言い草に
(なるほど、妙なところは冷静なんだね。)
半ば感心しながら
「わかった。とりあえずお茶入れるからさ、一息つきなよ。」
そう言って、私は席を立った。
◇◇
「由夏、急にごめんね。」
「そんなことはいいんだけど、でも仕事はどうしたのよ?」
「休んだ。」
「休んだって・・・大丈夫なの?」
「国家公務員にだって、有休くらい取る権利あるよ!」
「まぁそりゃそうだけど・・・。」
どう見ても今朝、急に思い立って、仕事休んで、私の所に突発的に来たとしか思えない。本当に大丈夫なのかと思うけど、今はそんなことを突き詰めてる場合ではなさそうだ。
「沖田くんと喧嘩でもしたの?」
加奈がこんなことをするなんて、考えられる理由は他にないんだけど、それに対して
「私たち・・・もうダメかもしれない。」
涙目で、思った以上に深刻なことを言い出されて、私は凝然となる。
「夕べさ、総一郎の顔を見たくなくて、ビジネスホテルに泊まって。」
「加奈・・・。」
「一晩、いろいろ考えて、ほとんど眠れなくって・・・もうどうしようもなくなっちゃって、誰かに話を聞いて欲しくて、それでほとんど衝動的に新幹線に飛び乗っちゃったんだ。」
「そっか。悠のとこじゃなくて、わざわざ私の所に来たってことは、やっぱり唯さん絡み?」
「それもあるけど、悠の所じゃ、子供たちがいるけど、由夏の所なら今、塚原くんは遠征中みたいだから、じっくり話、聞いてもらえるでしょ。」
その言い草に
(なるほど、妙なところは冷静なんだね。)
半ば感心しながら
「わかった。とりあえずお茶入れるからさ、一息つきなよ。」
そう言って、私は席を立った。
◇◇