Thirty’s
その後も、いろいろな話をした。実は唯さんだけでなく、三嶋理沙さんという、新たな敵も登場して来たことを話した時には


「えっ、何それ?だいたい、聡志たちって、白鳥先輩たちと比べられて『非モテ世代』ってバカにされてたはずなのに、実際には沖田くんにしても聡志にしても、それなりにモテてるよね?だから私たち、苦労させられてるんじゃん。」


と由夏が結構真面目に怒っていて、思わず笑ってしまったし


「その三嶋さんとやらの分析は、興味深いけど、でも正しいとは限らないでしょ?所詮、彼女は沖田くんじゃないんだからさ。あんまりに真に受けて、気にする必要なんて全然ないよ。」


三嶋さんの「総一郎、唯さん最愛説」を一蹴してくれたりした。


由夏のお陰で、いろいろな整理が出来たし、胸の内にたまっていたものを吐き出して、心が軽くなったことも確か。思い切って、仙台まで来たのは正解だった。


「あとはちゃんと、お互いに逃げずに正面から向き合って話をすること。結局、それ以上の解決策なんて、絶対にないんだからさ。」


由夏が最後に贈ってくれた言葉に、大きく頷いた私だった。


昼過ぎに仙台を出発した列車は、気が付けば大宮を過ぎた。総一郎が待っていてくれてるはずの東京まで、あと少し。


(早く会いたいな。)


今は素直にそう思える。だけど・・・


実は胸にわだかまっていることがある。


『山本さんのことを好きとか、そういうことじゃない。』


由夏にそう答えた後、思わず口にしていた


『でも・・・。』


私は、あの後、何を言おうとしたんだろう・・・。
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