Thirty’s
第十八章 すれ違う優しさ
「ただいま。」
ドアを開けて、部屋に入る。でも・・・返事はない。
それは当たり前のこと、総一郎はまだ仕事から帰って来ていないんだから。
仙台駅を出る時、由夏から言われた通り、私は真っすぐここへ帰って来た。途中、スーパーマーケットに立ち寄り、食材を買い込んで。
冷蔵庫を開けると、ラップの掛かった料理が目に入った。
きっと一昨日、総一郎が作って、私の帰りを待っていてくれたんだろう。
あの夜、彼がどんな思いでここにいたのか、考えることさえしなかった。胸が痛くなる。
「ごめんね・・・。」
誰もいない部屋で呟いてから、私は買って来たものを取り出した。
(今日は私が、総一郎の帰りを待つ番なんだから・・・。)
そんなことを思いながら、料理に取り掛かる。
やがてキッチンに、我ながら美味しそうな匂いが漂い始めた頃、玄関のドアが開く音がした。私は思わず振り返り、次の瞬間、そちらに速足で向かっていた。
「お帰り。」
出迎えた私の顔を見た総一郎が
「ただいま。」
静かに答えると、ぎこちない笑顔を向けて来る。
一瞬の沈黙が流れる。でも、私には言わなくちゃならないことがある。
「ごめんなさい。」
頭を下げる。
「勝手に外泊しただけじゃなくて、連絡もしないで、仙台まで行ってしまって・・・心配掛けて、本当にごめんなさい。」
「いや、帰って来てくれたんだから・・・それでいいんだよ。」
「総一郎・・・。」
「なんか旨そうな匂いが、部屋中に満ち溢れてる。楽しみだな、夕飯。」
そう言って、顔を綻ばせながら、総一郎は部屋に上がって来た。
ドアを開けて、部屋に入る。でも・・・返事はない。
それは当たり前のこと、総一郎はまだ仕事から帰って来ていないんだから。
仙台駅を出る時、由夏から言われた通り、私は真っすぐここへ帰って来た。途中、スーパーマーケットに立ち寄り、食材を買い込んで。
冷蔵庫を開けると、ラップの掛かった料理が目に入った。
きっと一昨日、総一郎が作って、私の帰りを待っていてくれたんだろう。
あの夜、彼がどんな思いでここにいたのか、考えることさえしなかった。胸が痛くなる。
「ごめんね・・・。」
誰もいない部屋で呟いてから、私は買って来たものを取り出した。
(今日は私が、総一郎の帰りを待つ番なんだから・・・。)
そんなことを思いながら、料理に取り掛かる。
やがてキッチンに、我ながら美味しそうな匂いが漂い始めた頃、玄関のドアが開く音がした。私は思わず振り返り、次の瞬間、そちらに速足で向かっていた。
「お帰り。」
出迎えた私の顔を見た総一郎が
「ただいま。」
静かに答えると、ぎこちない笑顔を向けて来る。
一瞬の沈黙が流れる。でも、私には言わなくちゃならないことがある。
「ごめんなさい。」
頭を下げる。
「勝手に外泊しただけじゃなくて、連絡もしないで、仙台まで行ってしまって・・・心配掛けて、本当にごめんなさい。」
「いや、帰って来てくれたんだから・・・それでいいんだよ。」
「総一郎・・・。」
「なんか旨そうな匂いが、部屋中に満ち溢れてる。楽しみだな、夕飯。」
そう言って、顔を綻ばせながら、総一郎は部屋に上がって来た。