Thirty’s
「俺が今こうして厚生労働大臣政務秘書官を務めているのも、三十そこそこで国政に挑戦するなんて言えるのも、全て親父の七光りだ。それは俺も自覚してるよ。」
「・・・。」
「確かに俺は二世のお坊ちゃま。世間から見れば、そうとしか見えないだろう。でもな、加奈。こう見えても、俺は現状の政治や政界を全て是としているわけじゃない。」
「山本さん・・・。」
「俺も政治家を目指すに当たって、それなりの抱負も経綸も持ってるつもりだ。これまでの政治の慣例とか古い風習を変えたいと思っている。その第一歩が君との結婚だ。」
「どういうことですか?」
「前も言ったはずだ。国会議員、特に地方出身者は地元から妻を娶らなければ、票が取れない。大成しない。そんなバカげた、前時代的な慣習がまかり通っている現実をまず変えたい。」
「・・・。」
「正式に婚約したら、出馬会見には同席してもらうかもしれないし、式はお披露目を兼ねて、俺の地元で挙げなくてはならなくなるのは確かだが、その後は俺の政治家としてのもろもろに関わる必要はない。家庭のベースはあくまで東京、俺は地元との往復になるのは避けられないが、君はそこで今まで通り、官僚として勤めればいい。」
「お話はわかりました。でも、正直申し上げて、先輩の理想は地元で本当に受け入れられるのでしょうか?政治家の妻が、選挙を始めとした夫の地元の政治活動に全くノータッチなんて、あまり聞いたことがないんですが・・・?」
率直に言った私に
「やろう。俺は国会、加奈は霞が関、力を合わせて、変えて行こう。もちろんその傍らで幸せな家庭を築いて・・・俺は加奈となら出来る、そう思っている。」
目を輝かせて、山本さんは言う。
(熱い。この人、本当はこんな熱い人だったんだ。でも・・・。)
私は心動かされた反面、戸惑いも感じていた。
「・・・。」
「確かに俺は二世のお坊ちゃま。世間から見れば、そうとしか見えないだろう。でもな、加奈。こう見えても、俺は現状の政治や政界を全て是としているわけじゃない。」
「山本さん・・・。」
「俺も政治家を目指すに当たって、それなりの抱負も経綸も持ってるつもりだ。これまでの政治の慣例とか古い風習を変えたいと思っている。その第一歩が君との結婚だ。」
「どういうことですか?」
「前も言ったはずだ。国会議員、特に地方出身者は地元から妻を娶らなければ、票が取れない。大成しない。そんなバカげた、前時代的な慣習がまかり通っている現実をまず変えたい。」
「・・・。」
「正式に婚約したら、出馬会見には同席してもらうかもしれないし、式はお披露目を兼ねて、俺の地元で挙げなくてはならなくなるのは確かだが、その後は俺の政治家としてのもろもろに関わる必要はない。家庭のベースはあくまで東京、俺は地元との往復になるのは避けられないが、君はそこで今まで通り、官僚として勤めればいい。」
「お話はわかりました。でも、正直申し上げて、先輩の理想は地元で本当に受け入れられるのでしょうか?政治家の妻が、選挙を始めとした夫の地元の政治活動に全くノータッチなんて、あまり聞いたことがないんですが・・・?」
率直に言った私に
「やろう。俺は国会、加奈は霞が関、力を合わせて、変えて行こう。もちろんその傍らで幸せな家庭を築いて・・・俺は加奈となら出来る、そう思っている。」
目を輝かせて、山本さんは言う。
(熱い。この人、本当はこんな熱い人だったんだ。でも・・・。)
私は心動かされた反面、戸惑いも感じていた。