Thirty’s
波乱はむしろ、退庁直後に起こった。
「お疲れ様です。」
三嶋さんだ。
「お出迎え、ありがとう。」
私が涼しい声で言うと、三嶋さんはカチンと来た様子で
「総一郎が唯さんと出張に行ったんですって!」
噛みつくように言って来るから
(なんでこの人、こんなにいろいろなことを知ってるんだろう?)
内心疑問に思いながら
「悪いけど、役所の前で大きな声、出さないでくれるかな。取り敢えず、どこか入らない?私、お夕飯食べたいし。」
と言うと、スタスタと歩き出したから
「ちょ、ちょっと。」
焦りながら、三嶋さんもついて来る。結局、私たちが入ったのは近くの居酒屋。ここなら役所の前よりは、人目を気にせず話せるだろう。
「なんで止めなかったんですか?」
席に着くなり、三嶋さんが口を開く。
「止めるって、どうやって?」
「えっ?」
「デート旅行にでも行くって言うんなら、ふざけるなって話だけど、業務の出張でしょ?部外者の私にどうしろって言うの?」
冷静な口調の私に、三嶋さんはいよいよ苛立った様子で
「こんなのデート旅行と変わらないですよ!」
と言い返して来る。
「かもね。」
「かもねって・・・で、どこ行ったんですか?」
「聞いてない。」
「聞いてないって・・・。」
「聞いてどうするの?」
「邪魔しに行きます、絶対にくっつけないように。」
真面目な顔で言うから、さすがに呆れ
「あなた、真面目に仕事してるの?」
そう言ってやると
「なっ・・・。」
言葉を失った三嶋さんは、少し私を睨むように見ていたけど
「余裕があるんですね、随分。」
と言って来る。
「あるわけないじゃない。」
「えっ?」
「私だって、あなたと同じ。今頃、あのふたりどうなってるんだろうって考えたら、正直おかしくなりそうだよ。」
「桜井さん・・・。」
「でも、今はどうしようもないじゃない。」
ため息が出る。
「お疲れ様です。」
三嶋さんだ。
「お出迎え、ありがとう。」
私が涼しい声で言うと、三嶋さんはカチンと来た様子で
「総一郎が唯さんと出張に行ったんですって!」
噛みつくように言って来るから
(なんでこの人、こんなにいろいろなことを知ってるんだろう?)
内心疑問に思いながら
「悪いけど、役所の前で大きな声、出さないでくれるかな。取り敢えず、どこか入らない?私、お夕飯食べたいし。」
と言うと、スタスタと歩き出したから
「ちょ、ちょっと。」
焦りながら、三嶋さんもついて来る。結局、私たちが入ったのは近くの居酒屋。ここなら役所の前よりは、人目を気にせず話せるだろう。
「なんで止めなかったんですか?」
席に着くなり、三嶋さんが口を開く。
「止めるって、どうやって?」
「えっ?」
「デート旅行にでも行くって言うんなら、ふざけるなって話だけど、業務の出張でしょ?部外者の私にどうしろって言うの?」
冷静な口調の私に、三嶋さんはいよいよ苛立った様子で
「こんなのデート旅行と変わらないですよ!」
と言い返して来る。
「かもね。」
「かもねって・・・で、どこ行ったんですか?」
「聞いてない。」
「聞いてないって・・・。」
「聞いてどうするの?」
「邪魔しに行きます、絶対にくっつけないように。」
真面目な顔で言うから、さすがに呆れ
「あなた、真面目に仕事してるの?」
そう言ってやると
「なっ・・・。」
言葉を失った三嶋さんは、少し私を睨むように見ていたけど
「余裕があるんですね、随分。」
と言って来る。
「あるわけないじゃない。」
「えっ?」
「私だって、あなたと同じ。今頃、あのふたりどうなってるんだろうって考えたら、正直おかしくなりそうだよ。」
「桜井さん・・・。」
「でも、今はどうしようもないじゃない。」
ため息が出る。