Thirty’s
食事が終わった後、唯の部屋で今日の視察内容のまとめと、明日に向けての打ち合わせ。明日はシステムを既に試験導入している関連会社への視察が予定されている。実際に運用されている現場に入ることで、学ぶこと、確認できることが多い一日になるはずだ。
今回の出張は専務・営業本部長としての唯には絶対に必要だった。また俺にとっても彼女のスタッフの一員として、大いに勉強になっている。だけど・・・はっきり言って、今回の出張への同行は、俺でもよかったが俺じゃなきゃいけないということもなかった。それが現実だ。
そして今、俺は、眼下に広がる見事な夜景を見ている。唯と並んで。
「携帯が鳴ってる。」
「お兄ちゃん。」
「えっ、先輩?」
「そのうち、ソウくんにも掛かって来るんじゃない?」
「そうかも。」
なんて会話を交わしていると、案の定、今度は俺の携帯が震え出す。
「出なきゃまずいかな?」
「いいよ。」
「でも・・・。」
「言われること、わかってるから。」
「唯・・・。」
「今は誰にも邪魔されずにちゃんと話したい。ソウくんだって、そうでしょ?」
「・・・わかった。」
白鳥先輩からの着信を無視するなんて、俺にとってはありえないことなんだけど、今は心の中で手を合わせて、勘弁してもらう。
「今度の専務の出張、あなたに同行してもらうから。」
数日前、突然河北さんに言われた時は、本当に驚いた。
「そんな無理ですよ。」
「どうして?」
「専務とふたりきりなんて・・・。」
「何、変なこと考えてるの?」
河北さんにツッコまれて、言葉を失ってしまった。
今回の出張は専務・営業本部長としての唯には絶対に必要だった。また俺にとっても彼女のスタッフの一員として、大いに勉強になっている。だけど・・・はっきり言って、今回の出張への同行は、俺でもよかったが俺じゃなきゃいけないということもなかった。それが現実だ。
そして今、俺は、眼下に広がる見事な夜景を見ている。唯と並んで。
「携帯が鳴ってる。」
「お兄ちゃん。」
「えっ、先輩?」
「そのうち、ソウくんにも掛かって来るんじゃない?」
「そうかも。」
なんて会話を交わしていると、案の定、今度は俺の携帯が震え出す。
「出なきゃまずいかな?」
「いいよ。」
「でも・・・。」
「言われること、わかってるから。」
「唯・・・。」
「今は誰にも邪魔されずにちゃんと話したい。ソウくんだって、そうでしょ?」
「・・・わかった。」
白鳥先輩からの着信を無視するなんて、俺にとってはありえないことなんだけど、今は心の中で手を合わせて、勘弁してもらう。
「今度の専務の出張、あなたに同行してもらうから。」
数日前、突然河北さんに言われた時は、本当に驚いた。
「そんな無理ですよ。」
「どうして?」
「専務とふたりきりなんて・・・。」
「何、変なこと考えてるの?」
河北さんにツッコまれて、言葉を失ってしまった。