Thirty’s
「それで・・・今は?」


「うん?」


「久しぶりに会って、アタックされて、どうなのよ?自分で言うのもなんだけど、それなりに大人の女になったつもりなんだけど、私。」


「そんなこと、言って来るのが、既に子供っぽい。」


「なっ・・・。」


含み笑いの俺の言葉に、プッと頬を膨らます三嶋。


「久しぶりに会って、まぁ何回か話をして、感じたのは、お前といるのは本当に気が置けないなってこと。」


「それって・・・。」


「変に気も遣わないし、バカも言い合える。お前といる時間は嫌いじゃないよ。」


この言葉が、三嶋にとっては、決して心地よく響くものではないことは承知の上。俺のお前に対する気持ちは、変わってないんだよ。それを改めて伝えているつもりだった。


だけど、それに対する彼女の言葉は、俺の斜め上を行っていた。


「だったら、私にしなよ。」


「はぁ?」


思わず声が出る。


「だいたいコンプレックス感じて、窮屈な思いさせられてる人になんでそこまで拘るのよ?私とだったら、気が置けない、気楽な時間が過ごせるんでしょ?これから長い人生を、共に歩んで行くパートナ-としては、最適じゃない。」


まさか、そんな切り返しが来るとは・・・。俺が少々たじろいでいると


「桜井さん、今頃、山本さんって人と、どうしてるんだろ?」


突然、話題が変わる。


「どうしてるって・・・。」


「ちゃんと帰って来るって、自信ある?」


「自信は、ない。でも・・・。」


「でも?」


「信じてる。」


「そっか。」


俺の答えに、三嶋はフッと笑みを浮かべた。
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