Thirty’s
「それで、何を話してたの?その人と。」


「アイツもいろいろあったみたいだけどな・・・でも、可愛い奴だよ。」


「えっ?」


「アイツが本当に妹だったら、結構楽しかったかもしれない。そんな気がした。」


「そっか・・・。」


「それで、話が終わったから、帰れって言ったら、『こんな夜道を、か弱い私に一人で帰れって言うの?』とか駄々こね出して。全く勝手に押し掛けて来たくせにと思ったけど、仕方なく駅まで送って行った。」


「・・・。」


「それで、君が帰って来るかもと思って、待ってみたら、間もなくそれが現実になって、現在に至るってところかな。」


「優しいお兄さんだね。」


そんな彼に少し皮肉を言ってやると


「そうかもしれない。」


思わず苦笑いを浮かべながら、総一郎は私に向き直った。


そして、そんな彼を私も見つめる。


静かな時間が流れる。夜の公園には今、私たちの他には誰もいない。


やがて


「もうひとつ・・・。」


と言いかけた彼を遮るように


「話があるの。」


私は口を開いた。ハッとして私を見た総一郎に


「あなたが好きです。」


その言葉が真っすぐに口から洩れていた。
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