Thirty’s
唐突な私の言葉に、やや呆然としている総一郎に


「いっぱい考えた、いっぱい悩んで、いっぱい悩まされて・・・正直失望もした、あなたに、自分自身にも。でも・・・結局最後に残った思いはこれしかなかった。『総一郎が好き、総一郎とずっと一緒にいたい』、ただそれだけ・・・。」


私は思いの丈を伝える。


『会って、私の気持ちをちゃんと伝えようと思ってました。総一郎がどんな答えを出したのかを聞く、その前に。』


さっき、山本さんに言ったあの言葉を現実とする為に。


また、沈黙が私たちを包む。自分の気持ちを言い切った達成感と、でも若干の気恥ずかしさが入り混じりながら、私は総一郎を見つめる。


「正直に言う、やっぱり自信はありません。」


やがて、彼の口から洩れたのは、こんな言葉だった。


「山本さんより、僕の方が加奈の横にいるのにふさわしい。そう思える、そう言い切れる自信がないんだ。」


彼の言葉が、残酷に響く。やっぱりそれがあなたの答えなの・・・?


一瞬、目の前が暗くなった。


そんな私を、総一郎は見つめていたが


「加奈に謝らなきゃいけないことがある。」


そんなことを言い出した。


「僕は君に嘘をついてしまった。」


「えっ?」
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