Thirty’s
「四年前の春、前の会社を辞め、なんとか今の会社に就職が決まった後、僕は君を母校のグラウンドに誘った。僕にとっては、君に思いを伝えるのに一番ふさわしいと思える場所だったからだ。」
「・・・。」
「そして僕はこんなことを言った。高校時代から文武両道の優秀さを誇り、厚労省のエリ-ト官僚になった君に僕はずっとコンプレックスを感じていた。でも実際の君は、そんなことを鼻にかけることもなく、優しくて、思いやりがあって、何事にも一所懸命。そんな君が、そのままの桜井加奈という女性を僕は好きになったんだって。」
「そうだった、ね・・・。」
「そして、続けて確かこう言ったんだ。『そんな君に自分がふさわしいかどうか、それは君が決めることで、僕がうじうじ思い悩むことじゃない。』って。」
ここで総一郎は、私に改めて視線を向けた。
「答えはちゃんと出してたんだ。自分で、四年も前に。なのに・・・僕はその自分の言葉を忘れ、君を失望させてしまった。同じ過ちを繰り返してしまった。それに気が付いた時、自分が本当に情けなかったし、そんな自分を後悔した。」
「総一郎・・・。」
「やっぱり俺じゃダメなんだな、そう諦める気持ちが湧いてきた。でも・・・次の瞬間に思ったんだ。このまま引き下がるのは嫌だ、って。」
その言葉に、私はハッと彼の顔を見る。
「だから、待ってた。『君と一緒に居たい、君と幸せになりたい』、このひと言を伝えたくて。」
「総一郎・・・。」
「本当は君の気持ちを聞く前に、言いたかった。なのに・・・こんな形で先を越されるなんてなぁ・・・。男としては、正直立場ない。」
そう言って、総一郎は苦笑いを浮かべた。
「・・・。」
「そして僕はこんなことを言った。高校時代から文武両道の優秀さを誇り、厚労省のエリ-ト官僚になった君に僕はずっとコンプレックスを感じていた。でも実際の君は、そんなことを鼻にかけることもなく、優しくて、思いやりがあって、何事にも一所懸命。そんな君が、そのままの桜井加奈という女性を僕は好きになったんだって。」
「そうだった、ね・・・。」
「そして、続けて確かこう言ったんだ。『そんな君に自分がふさわしいかどうか、それは君が決めることで、僕がうじうじ思い悩むことじゃない。』って。」
ここで総一郎は、私に改めて視線を向けた。
「答えはちゃんと出してたんだ。自分で、四年も前に。なのに・・・僕はその自分の言葉を忘れ、君を失望させてしまった。同じ過ちを繰り返してしまった。それに気が付いた時、自分が本当に情けなかったし、そんな自分を後悔した。」
「総一郎・・・。」
「やっぱり俺じゃダメなんだな、そう諦める気持ちが湧いてきた。でも・・・次の瞬間に思ったんだ。このまま引き下がるのは嫌だ、って。」
その言葉に、私はハッと彼の顔を見る。
「だから、待ってた。『君と一緒に居たい、君と幸せになりたい』、このひと言を伝えたくて。」
「総一郎・・・。」
「本当は君の気持ちを聞く前に、言いたかった。なのに・・・こんな形で先を越されるなんてなぁ・・・。男としては、正直立場ない。」
そう言って、総一郎は苦笑いを浮かべた。