Thirty’s
「と言うことで、最後にひとつだけ、負け惜しみを言わせて下さい。」
そう言って、私を真っすぐに見た三嶋さん。
「私、あなたが嫌いです。あなたにだけは沖田さんを渡したくなかった。」
「・・・。」
「古傷をえぐるようで申し訳ないけど、あなたは沖田さんを一度裏切り、彼を退職にまで追い込んだ。私は忘れてない。」
「私だって・・・忘れてないよ。」
ここで、私たちは見つめ合う。
「だったら、いいです。」
「三嶋さん。」
「沖田さんを大切にしてあげて下さい。もう私はあの人に苦しんだり、悩んだりして欲しくないんです。だから・・・お願いします。」
そして、また私に頭を下げて来る三嶋さん。その目にはいっぱいの涙。総一郎に対する彼女の思いが、どんなに真剣だったのか。私は改めて思い知らされる。
「わかりました・・・約束します。」
こう答えた私が、今度は彼女に深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。お節介なことを言って・・・ごめんなさい。」
その彼女の言葉に、静かに首を振ると、三嶋さんは嬉しそうに微笑んだ。
「それじゃ失礼します。沖田さんとお幸せに。」
「ちょっと待って。総一郎とは最後に話したの?」
「いいえ。」
「いいの?それで。」
「約束したんです、あの人に。」
「約束・・・?」
「あなたが山本さんのプロポ-ズをちゃんと断ってきたら、その時は潔く負けを認めます。そして、それが今度こそ、今生のお別れって。」
「・・・。」
「だから・・・これでさよならです。」
そう言って、身を翻すと彼女は去って行く。その後ろ姿を見えなくなるまで、私は見つめていた。
そう言って、私を真っすぐに見た三嶋さん。
「私、あなたが嫌いです。あなたにだけは沖田さんを渡したくなかった。」
「・・・。」
「古傷をえぐるようで申し訳ないけど、あなたは沖田さんを一度裏切り、彼を退職にまで追い込んだ。私は忘れてない。」
「私だって・・・忘れてないよ。」
ここで、私たちは見つめ合う。
「だったら、いいです。」
「三嶋さん。」
「沖田さんを大切にしてあげて下さい。もう私はあの人に苦しんだり、悩んだりして欲しくないんです。だから・・・お願いします。」
そして、また私に頭を下げて来る三嶋さん。その目にはいっぱいの涙。総一郎に対する彼女の思いが、どんなに真剣だったのか。私は改めて思い知らされる。
「わかりました・・・約束します。」
こう答えた私が、今度は彼女に深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。お節介なことを言って・・・ごめんなさい。」
その彼女の言葉に、静かに首を振ると、三嶋さんは嬉しそうに微笑んだ。
「それじゃ失礼します。沖田さんとお幸せに。」
「ちょっと待って。総一郎とは最後に話したの?」
「いいえ。」
「いいの?それで。」
「約束したんです、あの人に。」
「約束・・・?」
「あなたが山本さんのプロポ-ズをちゃんと断ってきたら、その時は潔く負けを認めます。そして、それが今度こそ、今生のお別れって。」
「・・・。」
「だから・・・これでさよならです。」
そう言って、身を翻すと彼女は去って行く。その後ろ姿を見えなくなるまで、私は見つめていた。