No Title
今日のクラスの集まりは設営班と調理班で別れることになった。
基本、男子が設営女子が調理で、その中から買い出しに行く人を決めることになった。
「俺と蒼伊が設営の買い出し、涼子とミサキちゃんが調理の買い出しで」
文化祭の実行委員である剛くんがてきぱきと指示を出す中、誰も行きたがらない買い出しの道連れにしたのは私たちだった。
涼子がわかりやすくめんどくさそうな顔をしたのを見て剛くんは楽しそうに笑っている。
蒼伊も涼子と同じように、心底嫌な顔をしているけれど。
「買い出しのほうが楽しそうじゃない?学校抜け出せるし」
「イヤよ、暑いじゃない」
「帰りにアイス買って帰ればよくない?」
「アイスだけで涼めるほど今年の夏は涼しくない」
「ミサキちゃんは乗り気でいてくれると思ってたから、丁度いいと思って」
「じゃあ剛と深咲で行けばいいじゃない」
「みんなで行ったほうが楽しいじゃん」
「涼子諦めて」
「ちょっと菊池、あんたも嫌なら一緒に反論しなさいよ」
「こいつらに何言っても無駄だろ」
「蒼伊は物わかりがよくて大好きだぞ!」
「暑いくっつくな」
ブーブー文句を言っている涼子と、嫌そうな顔をしている蒼伊を無理矢理私と剛くんで引っ張って教室を抜け出した。
剛くんがこういうイベントごとはしっかり楽しむタイプなのは去年の文化祭を見てて分かる。クラスの中心に立って物事を進めていくのも得意だし、バンドをまとめているのも剛くんだって蒼伊が言っていたし。