獅子の皮を被った子猫の逃走劇
行きたくない
「そういえば、最近虎月が怪しい動きをしてるらしいよ」
皆でお菓子を頬張っていると、思い出したように一ノ瀬先輩が言った。
和やかだった雰囲気がすぐに消えたことに驚く。
「南の方を何をするでもなく、うろうろしているのを何人かが目撃している」
「何企んでんだ」
「分からない。とりあえず皆も警戒していて欲しいな」
虎月……。
私はまだ一度も目にしたことないけれど、あんなにも強い彼らがこうも警戒する相手。
ふと隣を見ると、希良ちゃんの表情は曇っていた。
普段あんなにも明るい希良ちゃんが、そんな表情をするほどなんて……。
つられて私も気持ちが落ちていると
「ってことだからさ、獅音くんと玲央で見てきてくれない?」
「え?」
「は?」
今、なんて言った!?
驚いて顔をあげると、何を考えているのか分からないにこにこ顔の一ノ瀬先輩に加え、折田先輩とも目があった。
……顔を顰めて、すぐに顔を逸らされたけど。
この一ヶ月でこれが折田先輩の通常運転と分かったから今更落ち込みはしない。
……しないったら、しない。
皆でお菓子を頬張っていると、思い出したように一ノ瀬先輩が言った。
和やかだった雰囲気がすぐに消えたことに驚く。
「南の方を何をするでもなく、うろうろしているのを何人かが目撃している」
「何企んでんだ」
「分からない。とりあえず皆も警戒していて欲しいな」
虎月……。
私はまだ一度も目にしたことないけれど、あんなにも強い彼らがこうも警戒する相手。
ふと隣を見ると、希良ちゃんの表情は曇っていた。
普段あんなにも明るい希良ちゃんが、そんな表情をするほどなんて……。
つられて私も気持ちが落ちていると
「ってことだからさ、獅音くんと玲央で見てきてくれない?」
「え?」
「は?」
今、なんて言った!?
驚いて顔をあげると、何を考えているのか分からないにこにこ顔の一ノ瀬先輩に加え、折田先輩とも目があった。
……顔を顰めて、すぐに顔を逸らされたけど。
この一ヶ月でこれが折田先輩の通常運転と分かったから今更落ち込みはしない。
……しないったら、しない。