獅子の皮を被った子猫の逃走劇


 「しーおんくんっ!」
 「あれ、希良ちゃん?どうしたの?」
 「お昼一緒に食べよーのお誘いにきた!」
 「わ、もうそんな時間か」

 朝から、そのことについてうんうん悩んでいたら、いつの間にかお昼の時間になっていたらしい。

 希良ちゃんのお誘いにありがたく乗った。



 「いっただきまーす」
 「いただきます」


 私達二人は天気がいいということもあり、中庭で食べることにした。

 もうすぐ梅雨ということもあり、中庭の花壇には紫陽花が少し咲いている。


 「そ、そういえばさ!この間虎月と接触したって聞いたけど大丈夫だった、?」
 「え?ああ!私は何もなかったけど、折田先輩が怪我しちゃって」
 「そっか……」
 「どうしたの?」
 「あ……、ううん!何も無いよ!えへへ」


 いつもと様子の違う希良ちゃんを不思議に思いながらも、言いたくないことを聞くのも良くないと思って流した。


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