獅子の皮を被った子猫の逃走劇
固く目を閉じる私をふわっと包む温かさ。
「え、?」
「打ち明けてくれてありがとっ!さっきはビックリしちゃったけど、ウチらめっちゃ気が合うの何でだろって思ってたの解決して嬉しいよ!」
「っ、希良ちゃん、ありがとう」
「うん!これからもよろしく〜!」
許してくれた……!
希良ちゃんの真っ直ぐな笑顔に、優しさに、つい涙腺が緩んでしまう。
それから、その日の午後の授業は二人でサボって、色んなお話をして過ごした。
どのアイドルが好きかだとか、どんな映画見たいかとか。
そんなたわいない話をすることが、こんなにも幸せなんて。
龍ヶ崎に来て初めて、本当の笑顔で話せた。