獅子の皮を被った子猫の逃走劇

平穏が壊れる音



 靴箱や机の中に入っていた誰かからの手紙。

 雨でもないのに降りかかる水。

 いたるとこにある怪奇文章が記された紙。

 家のポストに私の男装姿の隠し撮り写真。


 「うーむ」


 今羅列したのは、ここ最近の私へのいじめ(?)の内容だ。

 日に日に、内容も頻度もエスカレートしていってる気がするのは多分気のせいじゃないと思う。

 こんなに色んなことされているのに、犯人を一度も見てない。

 あの国民的探偵アニメの黒い人にでもなれるんじゃない?って程の完全犯罪っぷり。


 「どうしよっかなー」


 この間も言った通り、本当に初めは小さいことだった。

 そういえば、そんなことされましたね!みたいな。

 でも、さすがに家のポストに写真はやばい。

 というか普通にストーカーで怖いし、叔母にも迷惑かけたくない。


 こういう時って警察に相談するべきなのかもしれないけど、如何せんこんな経験初めてでそんな度胸は無かった。


 「まあいっか!」


 なるようになる!……はず!
 そのマインドでこの件は流した。

 



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