【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「いやあの……とりあえずきみはガウンを着てくれないか。その格好だと集中して話ができそうにない」

 困ったように目を逸らしながらガウンを差し出されて、ルフィナは黙ってうなずいた。


 ソファに座り、ルフィナはカミルにこれまでのことを説明した。
 閨教育を受けたくて、王妃に相談してサラハを付けてもらったこと。サラハに教えられた閨の担当としての仕事、そしてカミルとの関係。
 話を聞き終えたカミルは、頭を抱えて大きなため息をついた。

「あいつ……そんな嘘でルフィナを騙して」

「嘘、なんですか」

「当たり前だ、嘘に決まってる。あいつが最近何かと俺の部屋に来ようとしてたのは、それが理由か」

 頭痛を堪えるように額を押さえながら、カミルはもう一度深く息を吐く。
 さっきサラハがカミルの部屋にいたのも、自分を抱けばいいと言いに来ていたのだそうだ。ずっとルフィナを抱いていないことをどこかで聞きつけたらしい、とカミルはつぶやいた。もちろんその情報の出所はルフィナだろう。

 当たり前だけど、断ったからな! と、カミルは身を乗り出すようにしてルフィナに言う。

「そもそも閨の担当なんて、昔の風習だ。うちの両親を見れば分かると思うけど、アルデイルは一夫一妻制だからな。ルフィナがアルデイルのしきたりに詳しくないから騙せると思ったんだろうが……。信じてくれ、俺にはルフィナだけだし、他の誰も抱いたことないし、抱こうと思ったことだってない」

「本当に?」
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