【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「神に誓ってもいい、サラハに触れたことなんてないし、もちろん触れさせたこともない。閨の担当なんて、あいつが勝手にでっちあげた出まかせだ。俺は、ルフィナ以外の女性に触れたことなんてない!」

 勢いよく顔を上げたカミルは、語気を強めて叫ぶように言うとまっすぐにルフィナを見つめた。その目は真剣で、嘘を言っているようには見えない。
 それでもルフィナの疑問はまだ解消したわけではない。

「でも、それならどうしてずっと抱いてくださらないんですか? 私が、初夜の時に色々とやらかしてしまったから……ですか」

 サラハに指摘された数々の間違いを思い返して、ルフィナはうつむく。それを見てカミルはそっと手を握ってくれた。

「何ていうかあれは……俺も色々と動揺していて。だってきみはあまりに綺麗で可愛いし、うっかりすると襲いかかってしまいそうな自分が怖くて。それなのにきみは俺を押し倒してくるし……っ」

 あの時のことを思い出したのか、カミルの頬が微かに赤くなる。握られた手を握り返して、ルフィナはカミルを見上げた。

「ずっと、謝罪しなければならないと思っていたんです。カミル様を押し倒してしまったこと、本当に申し訳ありませんでした。あんなはしたない真似は、もう二度としないと誓いますわ」

「え、それは別に構わないけど……むしろちょっと興奮したっていうか。押し倒されるのも悪くないなって思ったし」

「え?」
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