【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
 それはきっと、優しく見守ってくれる義両親をはじめとするアルデイルの皆や、子供ができるかどうかなど関係なしにルフィナのことを愛してくれるカミルがいるからだ。
 いつかは、カミルに似た子供を抱くことができたらいいなと思いつつ、そんな日が来るのかどうかは誰にも分からない。

 ◇◆◇

 入浴を終えたルフィナは、ゆったりとした足取りで寝室へと向かった。ベッドの上には、すでに寝支度を整えたカミルの姿がある。

「お待たせしました」

 胸の中に飛び込むように抱きつくと、カミルがしっかりと抱き止めてくれる。その腕の力強さにうっとりとしながらルフィナは彼を見上げた。

「今夜は、少し趣向を変えてみようと思うんです」

「趣向を?」

 目を瞬くカミルに微笑みかけて、ルフィナは彼の両肩に手を置いた。そのまま体重をかければ、二人の身体はベッドへと倒れ込む。

「わ、ルフィナ?」

 驚いたような声をあげたカミルの身体の上にまたがった状態で、ルフィナはゆっくりとガウンと夜着を脱ぎ捨てた。そして何も身に纏わない状態で、カミルを見下ろして笑う。

「一番最初の夜を、思い出すでしょう?」

「あぁ、そうだな。あの時もこうして、ルフィナに押し倒された」

「案外、新鮮な気持ちになれるかなと思いまして。それに、カミル様はこうして押し倒されることも嫌いじゃないでしょう?」

「ルフィナにされるなら、大歓迎だ」

 嬉しそうに笑いながら、カミルがルフィナの胸に手を伸ばす。

「まるで初夜のやり直しのようだが、あの時も本当は触りたくて仕方なかった」
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