【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
だが、このまま進めれば間違いなくルフィナを傷つけてしまう。彼女を止めなければと思うのに、欲望が邪魔をして頭がまともに働かない。彼女の身体をこれ以上傷つけないように、必死に歯を食いしばっていることしかカミルにはできなかった。
永遠にも思えるほどだったが、恐らくは数分後。ルフィナが目を輝かせてカミルの顔をのぞき込んできた。
「カミル様、終わりましたよ。ほら見てください、シーツに血が」
「え、終わっ……? あ、あぁ」
彼女が指差す先には、確かにシーツにごく少量の赤い血が染み込んでいる。無理に行為をしようとしたために、傷つけてしまったのだろう。それを破瓜の血だと勘違いしたルフィナは、うまくいったと満面の笑みだ。
性交を成し遂げたと満足げな彼女にそれは違うと否定することもできず、カミルは黙ることしかできなかった。
ほんの少しだけ味わったルフィナの身体は甘く、もっと欲しいと身体は疼いている。だが、そんなことをすれば彼女の身体を今以上に傷つけることは間違いない。
カミルは断腸の思いでルフィナの身体から目を背け、彼女の勘違いをそのままにしておくことを決めた。そして興奮したままの身体を何とかするために、ルフィナには仕事を思い出したと言い訳をして浴室へと駆け込んだ。
ほんの少しだけ触れた彼女のぬくもりや甘い匂い、そして柔らかな肌を思い出しながら自身を慰めるのは、情けなく苦い気持ちになるものだった。
しばらくしてようやく落ち着いたカミルは、どっと疲れた気持ちで寝室へと戻った。
永遠にも思えるほどだったが、恐らくは数分後。ルフィナが目を輝かせてカミルの顔をのぞき込んできた。
「カミル様、終わりましたよ。ほら見てください、シーツに血が」
「え、終わっ……? あ、あぁ」
彼女が指差す先には、確かにシーツにごく少量の赤い血が染み込んでいる。無理に行為をしようとしたために、傷つけてしまったのだろう。それを破瓜の血だと勘違いしたルフィナは、うまくいったと満面の笑みだ。
性交を成し遂げたと満足げな彼女にそれは違うと否定することもできず、カミルは黙ることしかできなかった。
ほんの少しだけ味わったルフィナの身体は甘く、もっと欲しいと身体は疼いている。だが、そんなことをすれば彼女の身体を今以上に傷つけることは間違いない。
カミルは断腸の思いでルフィナの身体から目を背け、彼女の勘違いをそのままにしておくことを決めた。そして興奮したままの身体を何とかするために、ルフィナには仕事を思い出したと言い訳をして浴室へと駆け込んだ。
ほんの少しだけ触れた彼女のぬくもりや甘い匂い、そして柔らかな肌を思い出しながら自身を慰めるのは、情けなく苦い気持ちになるものだった。
しばらくしてようやく落ち着いたカミルは、どっと疲れた気持ちで寝室へと戻った。