【電子書籍化】初夜に「きみを愛すことはできない」と言われたので、こちらから押し倒してみました。 〜妖精姫は、獣人王子のつがいになりたい〜
「えぇと、その……。私、手のマッサージの方法を学んだんです。良ければカミル様に学んだ成果を披露できればと思って。お疲れのカミル様を、少しでも癒して差し上げられたらと」
侍女に頼んで手に入れた香油を手に、ルフィナは身を乗り出す。サラハが残していった香油は、何故か使う気になれなかった。
「それは……すごく嬉しいけど、今夜はちょっと忙しくて。明日までに、この書類に目を通しておかなければならないから」
すまない、と小さくつぶやいたカミルの手には、分厚い紙の束。確かに手が香油まみれになってしまえば、仕事にならないだろう。
「そう、ですか。分かりました。ではまた次の機会に」
仕事を理由にされてしまえば、強く出られない。彼が本当に忙しくしていることは、ルフィナだってよく知っているのだから。それでも少ししゅんとしてしまったルフィナを見て、カミルが手を伸ばした。そのまま手首をそっと握って引き寄せられる。抱きしめるまではいかないものの、近づいた距離にルフィナの鼓動が跳ねた。
「きみの気持ちは本当に嬉しく思ってる。ありがとう、ルフィナ」
耳元で囁かれた声は、とても甘い。大切にしてくれていると思わせるような優しい声音に、ルフィナは胸が苦しくなるほどの喜びを感じた。
「妻として、当然ですわ。でしたらあの、せめてお茶を淹れるくらいはさせてくださいませ」
「あぁ、ありがとう」
穏やかにうなずいたカミルに微笑みかけて、ルフィナはお茶の準備を始めた。
侍女に頼んで手に入れた香油を手に、ルフィナは身を乗り出す。サラハが残していった香油は、何故か使う気になれなかった。
「それは……すごく嬉しいけど、今夜はちょっと忙しくて。明日までに、この書類に目を通しておかなければならないから」
すまない、と小さくつぶやいたカミルの手には、分厚い紙の束。確かに手が香油まみれになってしまえば、仕事にならないだろう。
「そう、ですか。分かりました。ではまた次の機会に」
仕事を理由にされてしまえば、強く出られない。彼が本当に忙しくしていることは、ルフィナだってよく知っているのだから。それでも少ししゅんとしてしまったルフィナを見て、カミルが手を伸ばした。そのまま手首をそっと握って引き寄せられる。抱きしめるまではいかないものの、近づいた距離にルフィナの鼓動が跳ねた。
「きみの気持ちは本当に嬉しく思ってる。ありがとう、ルフィナ」
耳元で囁かれた声は、とても甘い。大切にしてくれていると思わせるような優しい声音に、ルフィナは胸が苦しくなるほどの喜びを感じた。
「妻として、当然ですわ。でしたらあの、せめてお茶を淹れるくらいはさせてくださいませ」
「あぁ、ありがとう」
穏やかにうなずいたカミルに微笑みかけて、ルフィナはお茶の準備を始めた。