ないものねだり
お姉さんを見ると、顔が少し強張ってるのが見えた。
その瞬間、黒木先生の手がお姉さんの顔をめがけて飛んで行った。
お姉さんはそのはずみで後ろに倒れた。
私は聞いたことがない音と、
今起こってる状況に追いつけない気持ちでその場を動けなかった。
「なんでルールを守らんと!!」
大好きなお姉さんは倒れた状態で先生から髪をつかまれ、
激しく横に揺さぶられていた…。
大好きなバレーボールをドッジボールのように、
何度も何度も大好きなお姉さんに投げつけていた…。
私は怖くなってその場にしゃがみこんだ。