凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
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「琴さぁ、あんたいつまでそんな二次元にすがってんの?」
見た目めちゃくちゃギャルの莉央羅(りおら)が、放課後に教室で私の髪をアイロンで巻きながらそんな事を言う。
「いないよ? そんな男」
こちらもギャルの環(たまき)が私の顔に勝手にメイクをしていく。
私はそんな二人を無視して漫画を読む。
「せっかく美人なのにさー、勿体ない」
と莉央羅。
「こないだも駅で話しかけてきた人無視してたじゃん」
と環。
「だってあの人、身長小さかったもん。全然顔もイケメンじゃなかったし。なのにめちゃくちゃナルシストな感じが嫌」
漫画を片手に私はそんな事を言う。
「友達にくらいなったって良かったでしょー。他の友達に出会えるチャンスだったじゃん」
莉央羅が私の髪に仕上げのスプレーをかける。