凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「漫画みたいな人なんてね、いないから。諦めな。はい、メイク終わり!」
最後にリップを塗った環にまた言われる。
「いーやいる。きっといる。私は諦めない! 運命の人を見つけるまで私は守り抜く!」
莉央羅と環は二人顔を見合わせる。
「はいはい。んじゃ頑張って。さ、行くよ!」
そうして三人で教室を出る。
「コラ! またそんな派手な化粧して!」
廊下の先に生活指導の秋山(あきやま)先生に見つかった。
「げ! 秋山だ! 逃げろ!」
走って逃げる私たちを秋山は遠くからまだ叫んでる。
「遊ぶ暇あったら部活にでも入れー!」
「ぎゃはははは! 無理無理ー! 先生さよならー!」
言い返す二人に私も笑いながらとりあえずついて行く。