凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「琴」
マイクなしで名前を呼ばれる。
私を見上げるその顔は、今まで見たこともないくらい甘くて優しさに溢れたそんな顔だった。
「愛してる」
まるで俺の胸に飛び込んでこいと言ってるみたいな…そんな顔…
「俺について来い」
伊吹っ…
私はその瞬間、全ての不安が吹っ飛んだ。
私にはこの人しかいない。
どこまでだって、ついて行く。
「……はいっ」
するとニカっと笑った伊吹は両手を広げる。
「おいで」
私は迷わずその胸に飛び込んだ。
ぎゅーっと抱きしめられ、そのまま立ち上がったかと思えば遊園地のコーヒーカップなみにグルグルと振り回される。
いや、これはもはやハンマー投げレベルだ。
「ええーー!?」
「ははは!」