凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「え!? 明日じゃなかったか!? ヤベェ! かーちゃん、買い物行っちまったよ!」

「今日だよ! もう! 早く呼んで!」

と言いながら親父さんをグイグイリビングから追い出す琴。

「あーあはははは。忘れて?」

てへ。
と笑う。

「いや、いかつ」

もう笑いが止まらない。

確か元漁師で今はトラック運転手って言ってたな。

すっかり今ので緊張も吹っ飛んでいった。

「琴! お前、メール見てみろ! やっぱり明日になってんじゃねぇか!」

と親父さんが服を着てリビングに入ってきた。

「え?」

そう言って携帯を見る琴。

「あ…本当だ。あはは。ごめーん。今日です」

ダメだ面白すぎる。

「あの、出直します」

俺は立ち上がり親父さんの前まで向かう。

「いやいやいや! わざわざありがとうな。こんな、カッコ良いスーツまで着てきてくれて。娘のことどうぞよろしくお願いします」

そう言って肩をバシバシ叩かれた。

「いえ、こちらこそ。必ず幸せにします」

「伊吹くん!」

すると親父さんに俺は熱い抱擁をくらう。
琴の親父さんはどうやら熱い男らしい。
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