凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
結婚式は一月に予定を押さえてある。
場所はモナコ、モンテカルロにある地中海に面したベストロケーションを眺む崖の上にそびえ立つホテル。
せっかく移住するわけだし、家族を呼ぶ良い機会だろうって。
忙しいのに任せろと言って、結婚式の準備は伊吹に任せた。
私がするのはドレスを選ぶくらいだ。
楽しみだけど、やっぱり会えないのはなかなか寂しい。
これまで一人でいる時どうやって過ごしていたのか、今では思い出せない。
そのくらい私にとって伊吹は大きな存在であったのだと気付かされた。
すると電話が鳴る。
"伊吹"
ビデオだ!
「もしもし!」
慌てて髪を直して電話に出る。
『お疲れ様』
お互い画面越しに手を振る。
「お疲れ様ー。今日は終わり?」
『うん。琴は…、あ。ソファだね』
そう言って笑う伊吹。
「当たりー。さっき帰って来たとこだよ」