凄腕レーサーは中身も最上級〜夢見る乙女を眠らせない〜
「天音(あまね)!」

すると後ろから物凄い勢いで、めちゃくちゃイケメンな男性が走ってきた。

「丈慈(じょうじ)!」

「勝手にいなくなるなよ!」

あー、なんかデジャヴ。

「ごめんなさい」

「心配した」

二人は俺と琴と同じようなセリフを言い出す。
俺たちがいるというのに男性は女性を抱き寄せる。

その左手の薬指にはプラチナに輝く指輪がはめられていた。

そしてようやく女性から離れた男性はこちらを見る。

「こちらは?」

と男性が女性に聞く。

「ちょっと…ひったくられて困ってた所にこの方が背負い投げで助けてくれて…」

「背負い投げ!?」

そう言って驚いた顔をして俺を見る男性。

「あ、俺じゃないです」

俺はなんとも言えない気持ちで手を振る。

「え? この方って…」

「こちらの女性が」

女性が琴を指す。

嘘だろという顔で琴を見る男性。

「そ、そう…。すみません、妻がご迷惑をおかけして。ありがとうございました」

男性は琴と俺に頭を下げた。

「い、いえ…」

琴はもじもじと恥ずかしそうにする。

おい。

イケメンに反応してるなコイツ。

「頼もしい奥様ですね。本当に助かりました」

にしても爽やかだな。
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